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反経済学のトランプ政権

2017/04/05
以下は、H29.3.16日経新聞「大機小機」欄の主張である。
トランプ米大統領の排外主義や介入主義は経済学の基本原理から大きく外れる。欧州の極右ポピュリズム(大衆迎合主義)に連動すれば、世界の民主主義と資本主義を危機に陥れる。それなのに経済学者の声は小さすぎる。
 2国間で貿易赤字を減らそうというのは、グロ-バル経済の相互依存性を無視した時代遅れの発想だ。移民の国の移民排斥は、米国経済の活力を奪う。個別企業への強制介入は、資本主義国とは思えない。所得格差は金融資本主義と停滞する実物資本主義の落差による。大規模なインフラ投資に大型減税、その上に軍拡では財政赤字が膨らむだけである。
 政権と距離を置く米連邦準備理事会の冷静な金融政策に期待するしかないが、リスクは計り知れない。日本の経済学者にも責任はある。NAFTAの見直しひとつとっても、日本への影響は甚大である。

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