第4部 地主による貸宅地の整理
1. 整理の目的
- ・費用支出と地代とのアンバランス
- ・相続発生時の相続税
2. 整理方法
以下の方法がある。
1. 底地を売却する方法
- (1).借地人に売却
理論的価格は底地割合法が標準的 - (2).地上げ業者に売却
理論的価格は収益価格(地代徴収権価格)→安くなる。
2. 借地権を買取る方法
価格の評価方法は種々あるが、借地権割合法が標準的
3. 底地と借地権を等価交換する方法
- (1). 地主・ 借地人間で、底地と借地権とを等価交換し、その後は、当該土地は地主と旧借地人の完全所有権に分割される。
- (2). 税法上の交換特例あり。→税務申告で課税の繰延により税金がかからない。
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- ・交換特例の要件
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- ア、当事者双方が1年以上保有していたこと
- イ、交換のために取得したものでないこと
- ウ、交換後も従前の用途に供すること
- エ、交換差金は髙い方の20%以内であること
- (3). キ-ポイントは、交換比率と土地の分け方にある。
4. 「借地権対象外の地主所有の他の土地」と借地権対象土地とを等価交換する。
5. 「借地権対象外の借地人所有の他の土地」と借地権対象土地とを等価交換する。
6. 共同売却
- (1). 底地と借地権を第3者に売却
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- ・第3者の例・・・建売業者(建売価格から業者の採算性判断となるので、売却価格が動く)
- (2). 底地と借地権を地上げ業者に売却
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- ・デメリット・・・売却価格が安い。
7. マンション等価交換
借地上にディベロッパ-がマンションを建設し、底地・借地権相当分のマンション床を等価交換で取得する。
8. 物納
- (1). 地主は底地を物納(将来借地人は国から底地取得が可能)
- (2). 物納適格要件
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- ア、地代が周辺相場の70%以上であること
- イ、隣接地、貸宅地の境界確認書を作成する
- ウ、借地人から受領した保証金・ 預かり金がないこと
- エ、抵当権、仮登記等の設定がないこと
- オ、地主に不利な特約、当該土地についての係争がないこと