ミニ解説

ホーム > ミニ解説 > 相続対策 > 第2部 相続対策一般

相続対策

第2部 相続対策一般

1. 相続対策の種類

相続対策はつぎの3つに分かれる。これらを総合的に検討して各対策のバランスを確保する。ただし、事業承継対策については、株式承継、従業員、取引先の関係から以下とは異なる配慮が必要になる。

1. 円満相続対策
  • ・相続人間で円満に解決できること(相続人間で争いが生じないようにする)。
  • ・遺産分割対策もこれに入る。
2. 納税対策(相続税納税資金の準備)
  • (1). 主として以下の4つに分類される。
    • ・金融資産の予定相続人への計画的な贈与
    • ・生命保険の活用
    • ・物納の準備
    • ・不動産活用の検討
  • (2). 具体的には、主として以下のような点について整理しておく。
    1. ア、相続発生の場合の、相続税額の概算を把握しておく。出発点は相続財産の棚卸しであり、相続財産の現状を正確に把握する。
    2. イ、状況によっては、土地を有効活用地と納税用地とに分ける。
    3. ウ、定期借地権の活用、貸宅地整理(地主が借地権を取得、借地人が底地を取得、 地主・ 借地人が土地を第3者に売却など)、その他の対策を事前に考えておく。
    4. エ、物納と不動産売却の損得比較をする。
3. 節税対策(相続税の軽減)
  1. (1). これには主として以下のようなものがある。
    • ・生前贈与、贈与税の配偶者控除等
    • ・不動産の課税評価引き下げ対策(アパ-トの建築、土地の分割等)
    • ・各種土地の活用
  2. (2). この場合、節税対策内容のメリット、デメリットを検討する。
2. 相続対策としての土地有効活用の目的
1. つぎの分類から土地の活用を考える。
  1. ① 自己利用・・・・居住用、事業用などに利用する。最後まで換金を予定しない。
  2. ② 収益用・・・・・・収益物件を選択する。有効活用の対象とする。
  3. ③ 換金用・・・・・・換金しやすいように更地での保有または青空駐車場での利用。
2. なお、土地有効活用の目的としては、他面からみると、つぎのようなこともいえる。
  • ・不動産収入を得る
  • ・節税対策(所得税、法人税、固定資産税等の軽減)をたてる。
  • ・相続対策(相続税の軽減、物納の容易化)をたてる。
3. 参考-貸家(自己所有地にアパ-ト、貸家等を建てている場合)の評価額-
1. 評価額計算
  1. (1). 土地部分(貸家建付地)
    その土地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合(通常30%))=評価額
    • ・借地権割合を70%とすると、70%×30%=21%の評価減となる。
  2. (2). 建物部分
    固定資産税評価額(大体は、建築費総額の50%)×(1-借家権割合(通常30%))=評価額(自用の建物の約70%)
2. アパ-ト等を建てるときの注意点
  • ・相続税評価額は安くなるが、キャッシュフロ-からみた収支採算の検討が重要。キャッシュフロ-の計算は将来のリスクを適格に判定し、保守的に行う。
  • ・将来の処分=売却が相応にいくかは、この収支採算性いかん、となる。将来の処分先=買主は投資家であることを想定しておく。キャッシュフロ-の内容いかんで、将来希望価格で売れる、売れない、となる。最悪のケ-スは、中古アパ-トの売却において、建物解体・ 土地のみ売却で、残余ロ-ン返済ともなりうる。
  • ・建物名義を誰(親か子供か)にするかを検討する(原則的は親名義とする)。

ページ上部に戻る

相続対策 目次ページへ戻る

お客様へ

  • 金融機関、一般法人の方へ
  • 一般個人の方へ
  • 税理士、公認会計士の先生へ
  • 弁護士、司法書士、行政書士の先生へ
  • 公共団体の方へ
書籍紹介

ミニ解説

  • 不動産投資
  • 相続対策
  • 不動産証券化
  • CRE戦略
  • PRE戦略
  • 土砂災害防止法と固定資産税評価
  • 都市再開発
  • 土地区画整理
  • 不動産鑑定実務
  • よくあるご質問
  • 鑑定料金
  • 関連リンク
  • プライバシーポリシー